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子どもを持つタイミングと自分らしいキャリアプラン【イベントレポート】

【こんな方におすすめ】
★将来的に子どもが欲しいと考えている方
★出産後も働き続けたいと思っている方
★卵子凍結や受精卵凍結について知りたい方

【このレポートを通してのゴール】
今後のキャリアについて考えるヒントや、医療面の選択肢を知る。

将来的に子どもを持ちたい。人生設計を考えた時に、いつ産むのがよいのか?パートナーとどう考えていこうか?今からどんな準備ができるだろう?と悩む女性も多いのではないでしょうか。

この記事では、2022年11月22日(火)いい夫婦の日に開催したオンラインイベントのダイジェストをお送りします。
100名におよぶ方のご参加希望をいただいた本イベントでは、卵子凍結保管サービス「グレイスバンク」の提携クリニックである、グレイス杉山クリニックSHIBUYA岡田 有香先生をお迎えしました。

出産と育児を経験されている岡田先生の実体験や、多くの20〜30代のキャリア相談を受けてきたカウンセラーが知るよくあるお悩みや実例なども交えながら、ライフを踏まえたキャリア設計についての対談を行いました。そして、岡田先生からは、卵子凍結や受精卵凍結といった医療面の選択肢についても詳しく教えていただきました。ファシリテーターは、20代後半を迎え、これからまさにライフとキャリアの両立を考えていく世代である、ポジウィル広報の坂本が務めました。

【登壇者】
岡田有香(グレイス杉山クリニックSHIBUYA 院長)
岡千尋(POSIWILL CAREER カウンセラー/トレーナー)
【ファシリテーター】坂本 春珠(ポジウィル株式会社 広報)

パートナーと考えるライフキャリア設計について

坂本:理想の人生設計から考えた時に、子供を持つタイミングをどう決めるか、はパートナーとの対話が鍵になってきますよね。

家族設計などの今後の将来の話について、毎日忙しくてなかなか話せていないというお声も多数上がっています。パートナーと、どうコミュニケーションを取ればいいのか分からない、と話をするきっかけ作りに苦戦している方もいるようですが…

岡:私は自分が離婚してしまった経験から、システムコーチング(=夫婦やカップルのカウンセリング・コーチング)というものに興味を持つようになりまして。パートナー同士のコミュニケーションで、「子供をどうしたいか」といきなり核心に触れる話をすることも多いと思うのですが、お互いの価値観を理解し合えていない中でテーマだけ持ってきても、なかなか対話に繋がらなかったり、話が一方通行になってしまうことがあるようで。そもそも自分たちってどういう価値観や考えを持ってるんだっけ、を共有しあう時間を先に取ることがすごく大事なんですよね。まずはお互いを理解して関係性の土台を作ることからですね。

私はそういった前提の価値観の擦り合わせをしきれなかったからうまくいかなかったと思っていて、自分達の価値観を理解し合うこともそうですし、これからの人生やキャリアをどうしていきたいのか、自分なりの指針を持って対話をし続けることが、パートナーとの関係性を継続していくためにはすごく重要だと考えていますね。

坂本:たしかに、お互いの価値観を共有した上で、2人にとっての理想状態を話し合うことが大切ですね。

岡田:そうですね、話し合いはやっぱり大切です。お互い仕事をしているからこそ、育児をどう分担していくか、いつ転職/異動するのか、など、キャリア設計についても私たち夫婦は話し合います。

坂本:実際に子育てとキャリアを両立していくために意識していることはありますか?

岡田:必要な心構えとしては、ちゃんと周りを頼ること。
自分が寝かしつけする日は、子供と一緒に21時半とか22時に寝ています。 
自分が寝かしつけをしない日は、夜まで仕事をすることもあります。それをパートナーと半々でやる。家事の分担も半分こ。加えて週に1回実家がサポートしてくれています。

「私はこれをやるから、あなたはこっちをお願いします」と、お互いにやっていることを意識できるようなお願いの仕方をしているので、揉めることはありません。

坂本:岡田先生は子育てしながらキャリアアップしていったとお伺いしているのですが、キャリアを積むために必要なことはあるのでしょうか。

岡田:理想を叶えるために本当に必要なものだけに集中することですかね。
私の場合は、専門医の認定を取るにあたって、トレーニングの研修期間でトップを目指すというより、最短の学年で、最年少でその腹腔鏡の技術認定を取ろうと決めて、時間の配分を決めました。

岡:出産後に働いている方のカウンセリングをさせていただく機会も多いのですが、「理想を叶えるために必要なもの」は人によって様々です。だからこそ、世間の常識を当てはめず、自分たちの理想像を明確にすべきですね。

坂本:たしかに、現代は多種多様な価値観がありますよね。
個人個人のキャリアやライフ設計の理想を叶えるために、選択肢も幅広くなっている印象です。

その中でも、医学的な選択肢について、本日は岡田先生にお伺いしたく思います。

出産と医療面の選択肢の広がりについて

◆プレコンセプションケアという考え方

岡田:医学的には若いうちに妊娠・出産するに越したことはないですが、実際には、仕事やパートナーの状況など、社会生活のバランスの中でしか検討・決定できないことが多いですよね。

少しでも若いうちから将来の妊娠・出産に向けた準備が大切なのです。プレコンセプションケアって、皆さん聞いたことありますか?
将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことを指します。

今すぐではないけど将来子供がほしい。いざ妊活となったときにリスクが発覚するのは避けたい。ほしいかは分からないけど将来後悔はしたくない。
そういった方が多いのではないでしょうか。

まずは①知識を付けること、②自分の身体を理解すること、その上で③行動すること。ヘルスリテラシーを高めて自分の身体をケアできるようになることが必要です。

◆卵子とAMH検査について

女性の生涯の生理の回数は450回ぐらいで、実は昔の人の5倍近くに増えているんです。
現代女性は生理の回数が多いことで、子宮・卵巣に様々な問題を抱えやすいのです。その影響もあり、子どもを望んでも産めないカップルが増えています。

卵子は胎児期に一生分作られて、それ以降新しく生まれ変わることはありません。つまり、年を重ねるとともに卵子自体も年を重ねていきますし、生理の度に体内にある卵子の個数は減少し続けます。

実は、人によって1回の生理で減る卵子の数が変わるんですね。200個減る人もいれば、一気に1000個減ってしまう人もいる。また、卵子と卵巣は違うので、経血が多いから卵子がたくさん減っている、というわけではないんです。つまり、卵子の減少の仕方は、個人差が大きく自覚症状がない。そして、実年齢に比例するわけではありません。

いざ妊活を開始した時、あなたの身体にはもうわずかの卵子しか残っていないかもしれません。そうなってしまうのは嫌ですよね。だからこそ、自分の卵子の数を知っておく必要があります。

そのための検査として「AMH検査」があります。身体に残された卵子の数の目安(=AMH値)を測ることができる検査で、妊娠可能な期間の目安を知ることができます。この値が低いと、早く閉経になるリスクが高いことを示します。逆に高すぎると、多嚢胞性卵巣症候群といって、排卵しにくい体質である可能性があります。

◆日本の不妊治療事情

岡田:実は日本は世界一の不妊治療大国なんです!ご存知でしたか?
体外受精件数は46万件で、なんと2位のアメリカの約6倍。だから、不妊治療に関する技術も世界一。しかし、その成績は決して良いものではなく、成功率は13%と、2位のアメリカの25%に大差をつけられています。

日本は高い生殖医療技術を誇りながら、なぜこれほど不妊治療の成績が低いのでしょうか。
鍵は年齢にあります。
不妊治療を受ける平均年齢が、アメリカは34歳なのに対し、日本は40歳とかなり高齢になっています。日本は性教育が整備されていないことや、不妊治療や卵子凍結を公表せずに高齢出産する著名人の影響で「現代ではアラフォーでも普通に妊娠・出産できる」と誤解する人がいることも原因と考えられます。つまり、若いうちに自分の状態や選択肢を知らず、高齢になり不妊が顕在化してから初めて行動に起こし、苦しむ人が多いのです。その頃には卵子も年齢が高くなっており、妊娠に結びつきにくいんですよね。


◆卵子凍結について

とはいえ、卵子が若いうちに出産をすることが、キャリア設計やパートナーの意向を考えた時に難しい人も多いでしょう。そんな場合に1つ医学的な選択肢として、卵子凍結があります。卵子凍結とは、若いうちに「体外受精の前倒し」として卵子を採取し、凍結保存しておくことを指します。これにより、理論上は半永久的に加齢を止められます。凍結を経た卵子でも、受精・妊娠・新生児に違いは無いため、安全性も担保されています。

また、受精卵凍結という選択肢もあります。受精卵凍結とは、若いうちに精子と受精させ凍結保存しておくことです。こちらは卵子凍結よりも妊娠率を高めることができます。
大きな違いとしては、パートナーの有無です。受精卵凍結はパートナーと婚姻関係あるいは事実婚でないと使用できず、別れてしまうと使用できません。今後も人生を共に歩んでいく覚悟がお互いにあれば、受精卵凍結はより確実に、子どもを授かるための有力な手段となります。

繰り返しになりますが、医学的には若いうちに妊娠・出産するに越したことはありません。しかし、実際には、仕事やパートナーの状況などを考えると、そうもいきません。
少しでも若いうちから将来の妊娠・出産に向けた準備が大切です。


おわりに

ここまでをまとめると、

💡子どもを含めた人生設計を立てるために、

まずは理想のキャリア/ライフプランについて、パートナー同士で話合いましょう
→お互いの価値観を共有したうえで、優先順位をつけながら【いつまでに何人ほしいか】を話しましょう

・加えて、プレコンセプションケアをしましょう
①知識を付ける:卵子は年齢と共に減り、衰えてしまうこと。医療の選択肢として、卵子凍結があること。
②自分の身体を理解する:AMH検査でご自身の妊娠可能な時期を知りましょう。
③行動する:AMH検査の結果を踏まえて、早期通院、卵子凍結、早期不妊治療開始などの行動に移しましょう

本イベントでは、理想のキャリアや人生設計から考えるライフプランの立て方や、医療面の選択肢についてお伝えしました。

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